夫からのはじめてのプレゼント「つげの櫛」で、将来が心配になった思い出…。

最初にお断りしておきますが、「つげの櫛」が悪かったわけではありません。それに関しては、私からのリクエストです。夫とお付き合いをはじめたのは秋のこと。私の誕生日が12月なので、「プレゼントは何がいい?」と聞かれて考えたのが、「つげの櫛」でした。

夫(当時は付き合い始めたばかりの彼氏だったわけですが…)がお店をリサーチしてくれて、上野の「十三や」に一緒に出掛けました。柘植櫛の名店です。「十三や」を名乗る櫛店は、上野と京都、二か所にあるそうです。「九四(くし)」で、九と四を足して十三やという屋号。

店内に入ると、上のリンクにもあるような、昔懐かしい作りの店先で、頑固でいなせな江戸っ子という感じの男性が櫛を作っていました。そして、やさしく働き者のおかみさん、という雰囲気の方が、丁寧に説明をしてくれます。ひと通り説明をうかがった後で、実際にいくつか櫛を出してもらい、手に取って選びました。手作りなので、色や木目、重さなど、ひとつずつが微妙に違います。しばらく眺めた後、私は直感でひとつの櫛を選び出しました。…と、ここで終われば結構感動的なお話だったのですが…(汗)。

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無言になった夫以外の人々(汗)

話を聞いていた夫(彼氏)が、横から「自分の分も買おうかな」と。まぁそれはいいんですが、私と同じようにいくつかの櫛を比べ始めてから、決まるまでの時間が長いこと長いこと…。私は、ひとつに絞り込むまで5分もかからなかったと思いますが、夫(彼氏)はひとつひとつの木目を裏表じっくり眺め、持ち手の感触を確認し、重さを比べ、最後には髪をとかす仕草を繰り返して、使い心地を執拗に確かめようとしていました。ゆうに20分は検討を続けていたと思います…(汗)。

最初はいろいろ口をはさんでくれていたおかみさんと職人さんも、途中から無言に。私は、黙って櫛を作り続けている職人さんの、

「ったく、どんだけ時間かかってるんでぇ!男ならさっさと決めろよ、ぐずぐずしやがって。そんな男はすぐ振られるぜ!」

という心の声がリアルに聞こえるような気さえしました…。そんなこんなで、ようやく選んだ櫛がこれ。↓上が私の、下のが夫のです。

20150617

10年ほどを経た今でも現役で、つやつやとして、さすがによいものだなと思います。ちなみに、夫の櫛の方が、値段的に高かったです。わ、私の誕生日なのに(汗)。

残念ながら、上野の十三やさんの櫛はネット購入できないようですが(検索しても出て来なかった…)、京都の十三やさんの五代目当主の作ったつげ櫛は、楽天で購入できるようです。↓つげ櫛は、良く和風小物の店や京都のお土産屋さんなどで見かけますが、やっぱりちゃんとした良いものには惚れ惚れしますね。

とにかく厳選する夫。妻は…??

さて、この櫛購入時のできごとにかなり呆れ果てた私ですが、後日、夫(彼氏)が仕事中に椅子の背もたれに置きたいというクッションを買いに行くのに付き合って、まったく同じような目にあうのでした…。その時、夫(彼氏)が長時間の熟慮の末購入したのは、「川島織物」のクッション(柄はもっとカジュアルなもの)。

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要するに、本格的なものを厳選するタイプなんだな、それも執拗に…ということはわかりました。我々夫婦は結構年が離れていて、夫(彼氏)は、当時三十代後半。独身主義というわけでもないし、それなりのスペック(?)の男性なのに、どうしてこれまで結婚しなかったのかな、と少し不思議に思っていた私ですが、その理由のひとつを垣間見たような気がした一連の出来事でした(汗)。

しかし結局、私は夫のそういうところ、嫌いではないです。そして結局結婚しました(何回「結局」って言ってるんだ…)。後から知ったのですが、女性に櫛を贈ることは、江戸時代にはプロポーズを意味したそうです。そうとも知らずに櫛をリクエストして、しかも二人して買っちゃった我々二人。結婚するのは運命だったのかも知れません…。

それにしても、良いものを時間をかけて選ぶタイプの夫。晩婚で一緒になった私という「妻」が、彼のお眼鏡に本当に適うものであったのか否かは、いまだに不明です…。

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「夫からのはじめてのプレゼント「つげの櫛」で、将来が心配になった思い出…。」への2件のフィードバック

    1. コメントありがとうございます!一時期ブログが消滅していたので、承認・返信が遅くなり失礼致しました。
      運命(?)の相手である夫とは、いまでも何だかんだで一緒におりますが、夫の厳選グセは一向に変わらず、私も相変わらず呆れながらつきあっています…。

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