前記事:子供達に読み聞かせ「られる」昔話が面白い!笑える桃太郎と笠地蔵。にもちょっと登場した、夫の謎の創作童話(?)「バタコさん・しみ・ほいくえん」についてです…。
実はこの謎のタイトル、拙宅ではそれなりに由緒ある(?)もの。事の始まりは、長女が一時期熱中していた紙芝居作りでした。その紙芝居のタイトルだったのが、こちら。↓
おひめさま、「ちょっと、大丈夫?」って感じの顔色…。それもそのはず、実はこの「しみ」とは、長女語で「しぬ」のことなんです…(叫!!)
…長女は、この「おひめさましみ」の題名で、たくさん紙芝居を作っていました。けれども、よくよく見てみると、おひめさまはたいてい、毒リンゴを食べて「しみ」状態になっており、要するに「おひめさましみ」とは、長女にとって「白雪姫」の別名であるようです。 (それならばそれと、ちゃんと書いておくれよ!!)
しかしこの「しみ」ブーム(?)に乗じて、夫の権助殿は、娘たちを夜寝かしつける際、「おひめさま・しみ・ほいくえん」なる適当なお話をするようになりました。おひめさまが突然、娘たちが通う保育園を尋ねてきて、おやつを食べ過ぎてお腹を壊すとか、他愛もない内容なのですが、娘たちはなぜかこれに大ウケ。(←意味がわからん…)
その際の「おひめさま」は、本家の白雪姫だったり、アナ雪のエルサだったりしたのですが、どれも定着せず。ところが、この創作話ブームが続くうちに、これらの由緒正しい「おひめさま」を吹き飛ばすような、真のヒロインが降臨したのです!!
そうです、みんな大好き「それいけ!アンパンマン」のバタコさん。彼女がヒロインの座をがっちりと獲得し、権助殿の寝かしつけ創作童話は、ある種の完成に近付いてくるのでした…。
「バタコさん・しみ・ほいくえん」の全貌。
バタコさんの登場以降、権助殿の夜のお話は、「バタコさん・しみ・ほいくえん」で完全に定着していました。娘たちを寝かしつけるため、一家四人で寝室に入ると、
長女「おとーさん!!『バタコさん・しみ・ほいくえん』のお話して!!」
次女「バタコさんしみほいくえん!!」
との熱いリクエストが…(汗)。これに応え、鷹揚にうなづく権助殿、電気を消して娘たちを布団に入らせ、おもむろに語り始めます。最初のひと言はいっっっつも同じ。
権助殿「バタコさんとー、ジャムおじさんがー、けんかをしました。」
(娘たちの期待に満ちた視線が権助殿に集中します…。)
権助殿「(ジャムおじさんの声色で)バタコ、パンを作る時には、おいしくなぁれ、おいしくなぁれと心を込めて作るんだよ。
(バタコさんの声色で)あたし、ちゃんとやってるわ!!
(ジャム)でもバタコが作ったパンは、固くて食べられないじゃないか。
…それを聞いたバタコさんは、怒ってパン工場から家出してしまいました。」
その後、家出したバタコさんが、娘たちの通っている保育園近くのスーパーでお腹を空かせているところを、長女と次女に出会い、一緒に保育園に行っておやつを食べている間に、保育士さんにスカウトされて、給食の担当者として働くことになる、という内容。そこで、パンしか作れないというバタコさんとそれでは困る保育園側でひと悶着あり…というところまでは、毎回毎回毎っっっ回!!同じ話です。
その後は、娘たちのああしてくれ、こうしてくれというリクエストに応えて権助殿がお話を作っていくのですが、その長~いこと長いこと…。
ていうか、むしろ寝ないじゃん(怒)と思ってしまうのは、私が狭量なんでしょうか…?
これだけ長いお話をするのは、本当に大変だと思います。それを娘たちのために(帰りが遅くない時は)毎夜毎夜やってくれるのだから、ありがたいことだ…とは重々わかっているのですけど、同じ話を長時間、それも幾度となく聞かされるのが、どういう訳か、地味~にストレスで、ついイライラしちゃうんですよね(汗)。
せめて、毎回おんなじな、「バタコさんとー、ジャムおじさんがー、けんかをしました。」から、パンしか作れないと揉めるとこまでを省略して、そこから始めたらいいんじゃないの?と思うのですが、やっぱりそれは大人の理屈なようです。権助殿と娘たちは、おんなじ箇所も一向に気にならない様子。むしろ繰り返しを楽しんでいる感さえあります。子どもの世界、感じ方って凄いなぁと思いますが、そこに自然に混じってる権助殿って一体…。
毎晩、楽しそうな娘たちと権助殿が一緒に織りなすヘンテコ創作童話(←つい本音が…)を黙って聞きながら、この中で大人なのは私だけなんだと思うことで、かろうじてイライラを抑えるわたくしなのでした…。